iRTCの設立


2024年末にdSPACE Japanを退職し、今後何をやっていこうか考えたときに頭に浮かんだのは日ごろ言っていた「日本の産業を元気にする」である。 基礎技術があるのに製品にならない、(例えば iPhone)。 これらは日本の産業界の硬直化、新しいアイディアに対する恐れ、躊躇、が問題であると思ってきた。 これを少しでも改善するために私の持っている知識、スキルを活かせる業務を検討し、iRTCの設立に至った。

iRTC (intelligent Real-Time Control)の社名は過去の経験から実時間制御のノウハウを伝えようとの思いからである。
車や飛行機は動き出したら止まることはできない、動き続けることが必要、これが極めて安全性の高いシステムが要求される一つの
理由である。 ここでの実時間での制御はハードリアルタイムと呼ばれ高速性(ミリ秒単位)も求められる。 また制御するシステムが人命や資産に係る場合はさらなる安全性が要求される。

制御対象(プラント)を数式化し制御器(コントローラー)を設計する事は古くから行われて来ている。 ステップ応答や周波数応答よりプラントの伝達関数を同定し、コントローラを設計する。 コンピュータの無い時代より数式(実験式、データマッピングも含む)を使った設計は行われている。 周波数応答におけるコンペンセーターのテンプレートはみごとなアイディアである。

しかしあくまでも設計のフェーズ(机上検討)のみで実物を使った検証にこれらの数式は使われていない。
これらの数式を机上検討以降、実装、検証の領域にも使えるようにすれば開発効率が飛躍的に向上する。
モデルを利用し後工程につなぐのがモデルベース開発である。 モデルであれば動かすことができ、アイディアをほかのメンバーとも共有する事が容易である。

メカトロニクスは、機械工学・電気電子・制御・情報工学を融合した学際領域で、モデルベース開発との親和性も高い。メカトロニクス製品として代表的なのは車、産業ロボット、eVTOLなどであり、メカトロニクスとモデルベース開発をコンサルティングのテーマとしサービスを提供していきます。
実際に製品とする場合は制御器に組み込みソフトを実装する事が必要で、ここにノウハウ、スキルが存在する。 例えば実際のコントローラーを得るためには全ての情報のデジタル化が必要で、それをハード、ソフトの制約も考慮しながら効果的に利用する事が必要である。 この時の実装においてテクニックやノウハウを知っているかいないかにより製品の開発期間は大きく変わってしまう。 皆様にメカトロニクス制御器実装に関するノウハウをご提供できれば幸いです。

                2025年7月、宮野 隆