機械工学辞典には「制御とはある目的に適合するように対象となっているものに所要の操作を加えることと定義されている。」 人間によって行われる制御が手動制御、制御器が自動的に行うの自動制御がある。 まずは制御対象(プラントと呼ぶ場合もある)の特徴を捉えモデル化(数式化、マップ化)することから始まる。 この時に最終的な制御目標に合わせて制御対象のモデルの精度と粒度を決める事が必要である。 目的以上に詳細で高精度なモデルはコンピューターリソースを無駄に使うことのみならず、開発のスピードに悪影響を与える。 プラントのモデリングのモデリング範囲、モデリング精度、ターゲットの制御速度をどのようにきめるか? 必ず最初に検討すべき項目である。 プラントができたところで制御器(コントローラと呼ぶ場合もある)を設計する。 机上検討における制御器の設計は古くは数式・伝達関数や周波数応答を使いおこなってきた。近年はコンピュータやCAEの発達によりシミュレーションを使いながら設計の効率を上げてきた。
デジタル化(ECUへの実装)
机上検討で求められた制御器をマイコンに実装するわけであるが、組み込みで使われるCPUのスペックはかなり低く、整数型演算への変換、変数のビット数、信号のビット数などの制約が付きまとう。ここに数多くのノウハウが存在する。 与えられたリソースに対して如何に効率良く、安全な実装が適切なコストで出来るかが量産においては重要な課題である。またデジタル制御への変換についても多くのノウハウが存在する。
モデルベース開発
制御対象モデルを使って制御器が実現する制御性能を予想する事は古くから行われており、1970年からはコンピューターを使ってシミュレーションが導入されている。この考えを更に進めたのがモデルベース開発である。制御対象のモデル(実行可能なモデル)を机上検討の後の工程において利用する事で開発の効率を上げる事ができる。 また制御器もモデルの状態で後の工程に回すことによる効率アップが可能である。